静岡県議会議員 野崎正蔵(のざきしょうぞう)公式サイト・のざき正蔵の県まで届け!磐田の声

青少年の育成について
2002/10/23

現在の青少年を取り巻く生活環境は、都市化(孤立的な都市的生活様式、個人主義的意識の拡大)、核家族化、少子家庭化、職住の分離(職場と生活の場の分離)という傾向が顕著な中で、乳幼児を含めて青少年は近隣の人々との触れ合いも少なく、家庭生活においても「産業構造の変化に伴って家庭は消費の単位(家庭という場での生産活動の減退)となり、親子が一緒に生活する時間は少なく、子供が親の働く姿に接したり、自ら親と共に働くこともまれとなった」といわれるように、極めて狭い人間関係の中で日常生活を送るという状態が一般的となっています。そんな中、青少年の抱える課題として次のような点も指摘されています。
(1)小学校の高学年や極端をいえば成人を迎えた人の中でも、満足に紐が結べなかったり、箒をモップのように前に突き出して使用したり、雑巾を絞ってふくことを知らなかったりと、人としての能力形成の中で、ごく当たり前の日常生活の術すら学ぶ機会を失いつつある。
(2)指圧ルームに子供達が通うなどの現象にもあるように、高度に効率化された社会の中で非常に大きなストレスをもっている。
(3)人間関係の希薄化が進み、相手を思いやる気持ちの欠如により、いじめ等の問題でも指摘されるように、個人主義的意識の拡大から排他的行動が生じている。また、人間不信から不登校のような引きこもりといった現象も現れている。
(4)確立化された社会の中で、自分の存在すら見失いがちになり、将来に対して夢や希望が持てず情緒的・刹那的行動に走る傾向がある。
また、現在の青少年の要求と問題を、社会教育審議会では、次のような指摘をしています。
(1)青少年の多くが、自然との接触を望みながら、その実現が難しくなりつつあること。
(2)青少年の多くが、余暇を屋外での身体的な活動に当てることを志向しながらも、実際には室内で過ごしていることが多い。
(3)青少年の多くが、学校の内外において数多くの親しい友人を求めながらも、実際には少人数の友人に限られている。
(4)青少年の多くが、学校とは別個の青少年団体への参加を志向しながらも、実際には参加が極めて少ない。
しかし、上記のような志向を青少年が持っていたとしても、具体的な活動として実践されなければ、潜在的な意識だけにとどまり、青少年の人格形成には何の影響を持ちません。また、青少年がそのような志向を持っていることを、自分自身が明確に意識し自覚しているとは限りません。子供たちの生活が、外に出ることもなく、学校や塾に通うこと以外は、一人での勉強と室内でのテレビの視聴やゲームの遊びで過ごすこととなり、しかも、それが当然の生活でであり、そこにそれなりの満足感があれば、こうした生活を自分は志向しているんだと考えても何の不思議もありません。
青少年は柔軟性に富むが故に、間接的・直接的な見聞(経験)を通して、それまで自分の知らなかった世界に自己の活動を拡大していくエネルギーを持っていますが、限られた経験(学習)しか存在しない(あるいは、できない)状況の中では、それに適応し、それをもって十分満足したものと考えられるからです。豊かで多様な選択が可能な社会になったとしても、日常的な生活の中で選択の範囲が拡大するだけ、無意識のうちに自分に有利な選択をしようとする傾向が強まり、その結果、気づかないうちに調和やバランスを欠く生活を送る可能性も生まれてきています。
青少年の現状と課題は、上記の事柄だけでは言い尽くせませんが、青少年が、心豊かに生活して行くには、数多くの問題が存在していることは間違いないようです。これらの諸問題は、個人や社会、歴史的な背景に起因するところも多く、その処方箋は一朝一夕には示せないのが現状であります。
考えて見ると「教育」の意味を広く理解すれば、学校のようなフォーマルな教育機関で行われる意図的・計画的教育のみでなく、「場のいずれにも関わりなく、意図の有無にも関係なく、とにかく人々が共に生活することによって、たがいに刺激し影響し合って、人間が育成されていくこと」も「教育」であり、しかも、このような「無意図的教育」日常的、恒常的に、広い範囲にわたって行われ、表面上は目立たなくても底深い力を持っていると考えています。。そこで、「広義での教育に関わる人達」すなわち地域に暮らす人達が、それぞれの立場から課題や今後の見通しについて意見交換をし合うことによって、これからの地域における「教育」のあり方を探っていく必要を感じています。
また、私達ができることとして地域に「ふれあい」をキーワードとした体験の場を創っていく事があります。自然とのふれあいは、青少年の心身の健全な成長発達を図る上で重要であり、年齢の異なる様々な友人とのふれあいは、成長していく上での人間関係づくりの基礎を築くものであり、団体活動への参加は、青少年が自発的な意志に基づいて参加するのであれば、自主性・実践性を培い仲間との連帯意識を育て、いずれは社会参加の機会ともなると思います。
今後は「青少年は地域社会から育む」という視点に立ち、家庭・学校・地域がそれぞれの垣根を低くし、お互いの顔が見え、話ができ、手を取り合った関係づくりを更に進める必要を感じています。
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