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少子化社会を考える 其の二
2006/05/15


結婚観

「近年、人生を充実させるため出産・子育てはプラスにならないと考える人がいる。こうした価値観の移り変わりを見逃したら問題だが、政治は人々の意識にかなり遅れている。政治に先を読む力が欲しい。」これは、ある新聞への読者の投稿です。

6年前、日本女性の結婚観に興味を持ち日本にやってきた、ノルウェー人女性ハンナ・スベンデセン(東京大学大学院研究生)の言葉がある本の中で紹介されていました。「どうして結婚しないんだろう。それにみんな経済的条件の話をする。結婚ていつもいっしょにいたい人と子どもをもうけて、仲良くにぎやかに暮らすためのものじゃないの?」と。

日本人の平均初婚年齢は2003年で男性29.4歳、女性27.6歳と年を追うごとに記録を更新しています。また、女性20代後半の女性の未婚率は、1970?2000年の間に18%から54%へと3倍に増え、半分以上が未婚者となりました。男性30代前半では同じ時期に12%から43%へと3.6倍になっています。たしかに、日本では晩婚化や未婚率は進んでいるようです。

国立社会保障・人口問題研究所が2002年に行なった意識調査によると。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と回答した女性は28%、男性は40%であり、結婚観の違いを浮き彫りにしています。結婚自体が人生における選択肢の1つとなっているようです。

出産の奨励・抑制

「産めよ殖やせよ」の政策は、1941年(昭和16年)に閣議決定された「人口政策確立要綱」が源流といわれています。その中で、第一、趣旨として、「東亜共栄圏ヲ建設シテ其ノ悠久ニシテ健全ナル発展ヲ図ルハ皇国ノ使命ナリ、之ガ達成ノ為ニハ人口政策ヲ確立シテ我国人口ノ急激ニシテ且ツ永続的ナル発展増殖ト其ノ資質ノ飛躍的ナル向上トヲ図ルト共ニ東亜ニ於ケル指導力ヲ確保スル為其ノ配置ヲ適正ニスルコト特ニ喫緊ノ要務ナリ」としています。これにより、夫婦は子どもを5人もうけることが目標とされ、都内のデパートには官主導の結婚相談所が開設されたり、10人以上の子沢山家庭には「子宝部隊」の称号と賞状が贈られたといいます。

しかし、敗戦直後からは戦時中までの人口増加策とは対照的に産児制限が国策となりました。昭和21(1946)年1月に厚生省人口問題懇談会が開催され、人口増大の危惧から産児調節の普及の必要性が指摘されました。そして、昭和24(1949)年4月には薬事法による避妊薬の認可が開始され、5月には人口過剰問題について受胎調節普及の促進を含む決議が衆議院でなされ、6月には優生保護法(1948年成立)が改正され人工妊娠中絶条件がゆるめられました。昭和26(1951)年10月には一層の受胎調節を図ることが閣議で了承され、翌昭和27(1952)年5月には優性保護法の再度の改正が図られ、実質的に人工妊娠中絶の自由化をもたらすなど、本格的な受胎調整政策が展開されました。

戦中戦後を通して、出産の奨励・抑制という相反する国策が急展開されたことを物語っています。

少子化問題と政治

少子化問題をめぐる国会論戦は2005年から大きく変わってきた観がします。与野党いりまじっての少子化対策を求める大合唱が起こっています。2005年3月参議院予算委員会で小泉首相は、「高齢者に比べて、子育てに関する予算が少ないのは事実だ」「日本の政治は、高齢者の高齢者による、高齢者のための政治の側面が大きい」と答弁しました。

少子化対策をめぐる問題がクローズアップされた背景には、年金制度改革による社会保障問題、政界の世代交代、経済活動を含めた国力の低下に関する問題が考えられますが、年金、医療、介護といった社会保障政策に少子化問題もしっかりと位置づける必要が生じてきているといえるでしょう。

しかし、年金、医療、介護と少子化を社会保障の柱位置づけた場合、財源をどこから捻出するかといった問題にぶつかり、「少子化対策は最重要課題だ」と明言しても、社会保障全般関しては「総合的に考えなければならい」といった消極姿勢になっているのが現状です。確かに社会保障費は2005年度予算で20兆円の大台を突破し、政策的経費である約47兆円の4割を占めています。

少子化問題は、社会保障とその財源、消費税論議等が絡み合い議論を難航させているようです。

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