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家族や家庭を取巻く政策について考えてみる
2005/11/04


現状を見つめ直す

人間の生命力というものは、究極的には一番弱い臓器に合わせて測られるという医師の話がありました。肝臓の弱い人は肝臓が、心臓の弱い人は心臓が、極限に達した時に寿命が尽きるという内容です。ほかにどんな丈夫な臓器を持っていても、その人の生命力は、一番弱い臓器によって脅かされるものであるから、全体がバランス良く基本的な秩序を保つことが健康の秘訣であるという話です。

これを現代社会にあてはめると、今日生じている社会問題の多くは、正にバランスと基本的な秩序を欠いていることに起因しているものが数多くあります。

社会の変容

戦後の日本社会は、政治思想による対立、経済成長や景気の低迷等、左右・上下に振れながら様々な変化を遂げてきました。しかし、その中にあって、ある一定方向のみに変容し続けたのは、家族の在り方であり、家庭の姿ではないでしょうか。かつて家族は、人が社会生活を営んでいく上での基礎・基本として位置付けられていました。

しかし、今日的社会風潮は、極端な個人主義が闊歩する中で、家族制度そのものが封建的な象徴としても捉えられる向きがあります。個人の欲望をどこまでも追求することが個人の尊重だと捉えられば、家族の絆は個人の自由を束縛するしがらみにしか映りません。

秀明大学教授のマークス・寿子氏は、「子供の成長段階に応じて行われるべきしつけがあり、それには両親の協力が欠かせません。ところが、日本では協力どころか『父鳥』も『母鳥』も外に飛んでいってしまって、ヒナだけが残されれている、という状況になっている」と指摘しています。

「縦軸の哲学」

祖先から文化を受け継ぎ、子孫へと受け渡す連続性を重視する考え方を「縦軸の哲学」と呼ぶそうです。この「縦軸の哲学」を国の再生の道筋として実践したのが、英国のサッチャー政権です。政権誕生当時(1979年)の英国は、少年犯罪の増加、凶悪化が深刻な社会問題となっていました。サッチャー首相は、その対策として伝統的家族への回帰を推進しました。

当時の回顧録でサッチャーは次のように述べています。「少年犯罪の背景を調べてみると、家庭に問題のあることが多いとわかった。家庭を放置しておいて、どれほど少年院をつくり、警察官を増やして一般の人たちを犯罪から守ろうとしても意味の無いことだ。その前に子どもたちを犯罪者にしないように、家族を立て直す政策を行う必要がある。」

これからを考える

日本においても、家庭問題が少年犯罪の要因となっていることは、すでに様々なところで指摘されています。しかし、現在日本は、サッチャー政権前の英国と同様の政策をとってきています。家族の在り方が多様化していることを認めた上で、それらすべてを平等に扱う方向であり、また、これが児童虐待や少年犯罪の増加といった「負の成果」をもたらすといった現象も現れてきています。

また、税制においては配偶者特別控除の廃止など、社会の生活単位としての家族の意義に懐疑を投げかけています。

健全な家族形成を推進する政策は、ある一定方向のみに変容し続ける、家族の在り方や家庭の姿に一石を投じることになるのではないかと考えています。健全な家族形成を推進する政策は、大家族を増やすことにもなり、介護や公的保険の軽減やもっとも身近な子育て支援にもつながるのでないかとも考えます。

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